素因数分解のやり方3ステップ|練習問題20問と解答付き

素因数分解とは、ある自然数を素数だけの掛け算の形に分解することです。たとえば 12 = 2 × 2 × 3 = 2² × 3 のように表します。この記事では、素因数分解のやり方を3ステップで解説し、はしご算(すだれ算)のコツ、最大公約数・最小公倍数への応用まで紹介します。仕上げに練習問題20問(解答付き)で定着させましょう。

素因数分解とは

素因数分解 = 自然数を素数だけの積(掛け算)で表すこと 例: 60 = 2² × 3 × 5

素数とは、1とその数自身しか約数を持たない2以上の数(2, 3, 5, 7, 11, 13, …)のことです。素因数分解に使われる一つひとつの素数を「素因数」と呼びます。

大切な性質として、どんな自然数(2以上)も、素因数分解の結果はただ一通りに決まります。これを「素因数分解の一意性」といい、順番を並べ替えても中身は同じです。

素因数分解のやり方3ステップ

やり方はとてもシンプルです。60を例に見てみましょう。

  1. 小さい素数から割れるか試す: 2で割れるなら2で割る。60 ÷ 2 = 30
  2. 割れなくなるまで同じ素数で割り続ける: 30 ÷ 2 = 15。15は2で割れないので次の素数3へ。15 ÷ 3 = 5
  3. 商が素数になったら終了: 5は素数なのでストップ。割った数と最後の商を掛け算の形にまとめる

結果、60 = 2 × 2 × 3 × 5 = 2² × 3 × 5 となります。

はしご算(すだれ算)で書くと速い

計算を筆算風に書く方法が「はしご算」(すだれ算とも呼ばれます)です。数の左に割る素数を書き、下に商を書き続けます。

2 ) 60
2 ) 30
3 ) 15
      5

左側に並んだ素数(2, 2, 3)と、最後に残った素数(5)を全部掛けたものが答えです。60 = 2² × 3 × 5。

割り切れるかを見抜くコツ

  • 2で割れる: 一の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)
  • 3で割れる: 各位の数字の和が3の倍数(例: 123 → 1+2+3 = 6 → 3で割れる)
  • 5で割れる: 一の位が0か5

2, 3, 5で割れなくなったら、7, 11, 13…と順に試します。

答えを書くときは、同じ素数は指数(2乗、3乗)でまとめ、小さい素数から順に書くのがルールです。例: 72 = 2³ × 3²

最大公約数・最小公倍数への応用

素因数分解が使えると、最大公約数(GCD)と最小公倍数(LCM)が簡単に求められます。24と36で見てみましょう。

24 = 2³ × 3、36 = 2² × 3²

2の指数 3の指数 結果
最大公約数(小さい方の指数を取る) 2 1 2² × 3 = 12
最小公倍数(大きい方の指数を取る) 3 2 2³ × 3² = 72
  • 最大公約数: 共通する素因数について、指数の小さい方を掛け合わせる
  • 最小公倍数: 登場するすべての素因数について、指数の大きい方を掛け合わせる

また、「ある数に何を掛ければ平方数(ある数の2乗)になるか」という入試頻出問題にも使えます。たとえば 12 = 2² × 3 に3を掛ければ 2² × 3² = 36 = 6² となり、平方数になります。指数がすべて偶数になるように掛ける数を選ぶのがポイントです。

さらに、約数の個数を数える問題にも応用できます。素因数分解して「(各素因数の指数 + 1)を掛け合わせる」と約数の個数になります。たとえば 72 = 2³ × 3² の約数の個数は (3 + 1) × (2 + 1) = 12個です。実際に書き出すと 1, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 12, 18, 24, 36, 72 の12個で、確かに一致します。

練習問題20問

次の数を素因数分解してください。前半10問は基本、後半10問はやや大きい数です。

基本問題(1〜10)

  1. 12
  2. 18
  3. 24
  4. 36
  5. 45
  6. 48
  7. 60
  8. 72
  9. 84
  10. 90

応用問題(11〜20)

  1. 96
  2. 108
  3. 120
  4. 126
  5. 144
  6. 180
  7. 210
  8. 225
  9. 360
  10. 504

解答と解説

問題 解答
1 12 2² × 3
2 18 2 × 3²
3 24 2³ × 3
4 36 2² × 3²
5 45 3² × 5
6 48 2⁴ × 3
7 60 2² × 3 × 5
8 72 2³ × 3²
9 84 2² × 3 × 7
10 90 2 × 3² × 5
11 96 2⁵ × 3
12 108 2² × 3³
13 120 2³ × 3 × 5
14 126 2 × 3² × 7
15 144 2⁴ × 3²
16 180 2² × 3² × 5
17 210 2 × 3 × 5 × 7
18 225 3² × 5²
19 360 2³ × 3² × 5
20 504 2³ × 3² × 7

つまずきやすい問題の解説

問17(210): 210 ÷ 2 = 105、105 ÷ 3 = 35、35 ÷ 5 = 7。4つの異なる素数(2, 3, 5, 7)の積になる珍しい形です。

問18(225): 一の位が5なので5から割ると速いです。225 ÷ 5 = 45、45 ÷ 5 = 9、9 = 3²。よって 3² × 5²。指数がすべて偶数なので、225 = 15² の平方数だとわかります。

問20(504): 504 ÷ 2 = 252、252 ÷ 2 = 126、126 ÷ 2 = 63、63 ÷ 3 = 21、21 ÷ 3 = 7。よって 2³ × 3² × 7 です。桁が大きくても「2で割れるだけ割る → 3 → 5 → 7」の順に淡々と進めれば必ず分解できます。

全問正解できなかった場合は、間違えた問題だけをはしご算で書き直してみてください。「どの素数で割るか」の判断ミスか、「掛け算のまとめ方」のミスかを切り分けると、弱点が明確になります。

まとめ

  • 素因数分解は「小さい素数から順に、割れなくなるまで割る」の繰り返し
  • はしご算(すだれ算)で書くとミスが減り、左の素数と最後の商を掛ければ完成
  • 答えは指数でまとめ、小さい素数から順に書く(例: 72 = 2³ × 3²)
  • 最大公約数は指数の小さい方、最小公倍数は指数の大きい方を掛け合わせて求める
  • 2・3・5の倍数の見分け方(偶数、各位の和、一の位)を使うと計算が速くなる