数学・算数
素因数分解のやり方3ステップ|練習問題20問と解答付き
公開: 2026-07-05
目次
素因数分解とは、ある自然数を素数だけの掛け算の形に分解することです。たとえば 12 = 2 × 2 × 3 = 2² × 3 のように表します。この記事では、素因数分解のやり方を3ステップで解説し、はしご算(すだれ算)のコツ、最大公約数・最小公倍数への応用まで紹介します。仕上げに練習問題20問(解答付き)で定着させましょう。
素因数分解とは
素数とは、1とその数自身しか約数を持たない2以上の数(2, 3, 5, 7, 11, 13, …)のことです。素因数分解に使われる一つひとつの素数を「素因数」と呼びます。
大切な性質として、どんな自然数(2以上)も、素因数分解の結果はただ一通りに決まります。これを「素因数分解の一意性」といい、順番を並べ替えても中身は同じです。
素因数分解のやり方3ステップ
やり方はとてもシンプルです。60を例に見てみましょう。
- 小さい素数から割れるか試す: 2で割れるなら2で割る。60 ÷ 2 = 30
- 割れなくなるまで同じ素数で割り続ける: 30 ÷ 2 = 15。15は2で割れないので次の素数3へ。15 ÷ 3 = 5
- 商が素数になったら終了: 5は素数なのでストップ。割った数と最後の商を掛け算の形にまとめる
結果、60 = 2 × 2 × 3 × 5 = 2² × 3 × 5 となります。
はしご算(すだれ算)で書くと速い
計算を筆算風に書く方法が「はしご算」(すだれ算とも呼ばれます)です。数の左に割る素数を書き、下に商を書き続けます。
2 ) 60
2 ) 30
3 ) 15
5
左側に並んだ素数(2, 2, 3)と、最後に残った素数(5)を全部掛けたものが答えです。60 = 2² × 3 × 5。
割り切れるかを見抜くコツ
- 2で割れる: 一の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)
- 3で割れる: 各位の数字の和が3の倍数(例: 123 → 1+2+3 = 6 → 3で割れる)
- 5で割れる: 一の位が0か5
2, 3, 5で割れなくなったら、7, 11, 13…と順に試します。
最大公約数・最小公倍数への応用
素因数分解が使えると、最大公約数(GCD)と最小公倍数(LCM)が簡単に求められます。24と36で見てみましょう。
24 = 2³ × 3、36 = 2² × 3²
| 2の指数 | 3の指数 | 結果 | |
|---|---|---|---|
| 最大公約数(小さい方の指数を取る) | 2 | 1 | 2² × 3 = 12 |
| 最小公倍数(大きい方の指数を取る) | 3 | 2 | 2³ × 3² = 72 |
- 最大公約数: 共通する素因数について、指数の小さい方を掛け合わせる
- 最小公倍数: 登場するすべての素因数について、指数の大きい方を掛け合わせる
また、「ある数に何を掛ければ平方数(ある数の2乗)になるか」という入試頻出問題にも使えます。たとえば 12 = 2² × 3 に3を掛ければ 2² × 3² = 36 = 6² となり、平方数になります。指数がすべて偶数になるように掛ける数を選ぶのがポイントです。
さらに、約数の個数を数える問題にも応用できます。素因数分解して「(各素因数の指数 + 1)を掛け合わせる」と約数の個数になります。たとえば 72 = 2³ × 3² の約数の個数は (3 + 1) × (2 + 1) = 12個です。実際に書き出すと 1, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 12, 18, 24, 36, 72 の12個で、確かに一致します。
練習問題20問
次の数を素因数分解してください。前半10問は基本、後半10問はやや大きい数です。
基本問題(1〜10)
- 12
- 18
- 24
- 36
- 45
- 48
- 60
- 72
- 84
- 90
応用問題(11〜20)
- 96
- 108
- 120
- 126
- 144
- 180
- 210
- 225
- 360
- 504
解答と解説
| 問題 | 数 | 解答 |
|---|---|---|
| 1 | 12 | 2² × 3 |
| 2 | 18 | 2 × 3² |
| 3 | 24 | 2³ × 3 |
| 4 | 36 | 2² × 3² |
| 5 | 45 | 3² × 5 |
| 6 | 48 | 2⁴ × 3 |
| 7 | 60 | 2² × 3 × 5 |
| 8 | 72 | 2³ × 3² |
| 9 | 84 | 2² × 3 × 7 |
| 10 | 90 | 2 × 3² × 5 |
| 11 | 96 | 2⁵ × 3 |
| 12 | 108 | 2² × 3³ |
| 13 | 120 | 2³ × 3 × 5 |
| 14 | 126 | 2 × 3² × 7 |
| 15 | 144 | 2⁴ × 3² |
| 16 | 180 | 2² × 3² × 5 |
| 17 | 210 | 2 × 3 × 5 × 7 |
| 18 | 225 | 3² × 5² |
| 19 | 360 | 2³ × 3² × 5 |
| 20 | 504 | 2³ × 3² × 7 |
つまずきやすい問題の解説
問17(210): 210 ÷ 2 = 105、105 ÷ 3 = 35、35 ÷ 5 = 7。4つの異なる素数(2, 3, 5, 7)の積になる珍しい形です。
問18(225): 一の位が5なので5から割ると速いです。225 ÷ 5 = 45、45 ÷ 5 = 9、9 = 3²。よって 3² × 5²。指数がすべて偶数なので、225 = 15² の平方数だとわかります。
問20(504): 504 ÷ 2 = 252、252 ÷ 2 = 126、126 ÷ 2 = 63、63 ÷ 3 = 21、21 ÷ 3 = 7。よって 2³ × 3² × 7 です。桁が大きくても「2で割れるだけ割る → 3 → 5 → 7」の順に淡々と進めれば必ず分解できます。
全問正解できなかった場合は、間違えた問題だけをはしご算で書き直してみてください。「どの素数で割るか」の判断ミスか、「掛け算のまとめ方」のミスかを切り分けると、弱点が明確になります。
まとめ
- 素因数分解は「小さい素数から順に、割れなくなるまで割る」の繰り返し
- はしご算(すだれ算)で書くとミスが減り、左の素数と最後の商を掛ければ完成
- 答えは指数でまとめ、小さい素数から順に書く(例: 72 = 2³ × 3²)
- 最大公約数は指数の小さい方、最小公倍数は指数の大きい方を掛け合わせて求める
- 2・3・5の倍数の見分け方(偶数、各位の和、一の位)を使うと計算が速くなる